最近、IPO(新規上場)マーケットは活況を取り戻しつつあります。
2014年のIPOマーケットはアベノミクス政策にけん引された経済活性化、株式市場の活況展開を背景に77社が上場。2015年は、2014年以上の内容となりそうだと言われています。
一方で、このIPOブームに水を差すような出来事も起きました。
スマートフォン向けゲームを開発、配信する会社が、上場からわずか2ヶ月半で業績見通しを黒字予想から赤字予想へと下方修正するなど、上場直後に業績見通しを引き下げる企業が相次いでいます。
私の聞いた限りでも、上場が延期になった企業が数社あり、取引所及び証券会社の上場審査が以前よりもはるかに厳しくなったという話もあります。
ところで、この「業績予想の開示」は、取引所に上場している企業に開示が義務付けられている情報であり、業績の着地見込みが当初の予想と比べて一定の範囲以上にズレる見込みとなった場合、業績予想の修正を適時に開示しなければならないこととされています。
投資家のみならず、企業経営者にとっても、会社の業績見通しをタイムリーに知ることは、意思決定を行う上で非常に重要なことですから、そのための「仕組み」を構築することは、重要な経営課題の1つに挙げられると思います。
私は、以前、ITベンチャー企業において決算・業績管理を取り纏める仕事をしておりました。その時の経験から、受託型で業務を請け負うビジネスモデルの会社にとって、この業績見通しをタイムリーに把握するというのは非常に難しいことだと実感しました。
なぜなら、いくら損益計画を緻密に練り上げて作っても、大型案件の検収時期が1ヶ月遅れただけで月次損益の数値は大きく変わってしまいますし、案件別の損益を把握するには、現場の協力とタイムリーな情報収集の仕組みが必要だからです。
前職を退職し、会計コンサルティング会社として独立した後も、このように業績管理に苦労されている方々から相談を受けております。
システム開発会社からネット広告を扱う会社、ゲーム制作会社、イベントをプロデュースまで業種も様々ですが、やはり同じような悩みを抱えられている企業は非常に多いです。
そこで、本ブログを通じて、主にプロジェクト型ビジネスを行っている企業の経営者、CFO、経営企画担当者、経理部の方々を対象に、業績管理を行う上で参考になるであろう話を皆様にお伝えできればと思っています。