今回のコラムから、法定開示書類作成実務における業務属人化を解消する方法について解説します。
属人化を解消するには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
①複数の担当者が同じ業務をできるようにしておくこと
②担当業務及び開示書類作成過程の見える化、標準化を図ること
③これらが継続して運用されるための『仕組み』をつくること
人数に余裕があれば、複数の担当者が同じ業務をできる体制を築くことで業務属人化の解消を図っていくということが可能となります。
ですが、いくら複数の担当者が同じ業務を担当していても、従前どおり会社独自の方法、第三者からは分かり難い方法で実務を行っていたら、前回のコラムで紹介した属人化により生じるリスクの全てを解消することにはなりません。
開示業務の担当者が何をどのように作成しているのか、プロセスを明確にすることで、他の者が業務を引き継ぎやすくなります。また、誰でも同じ業務ができるようプロセスの標準化を図ることが重要となります。
そして、これらの体制を維持するためには開示業務作成プロセスにおける標準化の『仕組み』を創ることが何より重要となります。
いくら業務プロセスをマニュアル化し見える化できたとしても、それらを活用して、体制を継続できるための『仕組み』を作らなければ、長続きせず、結局、以前の様な属人的な業務に戻ってしまう可能性があるからです。
次回のコラムからは、この『仕組み』をどのように創っていくかについて解説します。