長時間労働に陥りやすい企業の特徴③-決算修正が多い

特徴③ 決算修正が多い

長時間労働に陥る企業に多い特徴の3つめは、決算修正が多いことです。

下の図(図3)では、当社で支援している3月決算の会社のうち、決算発表間際まで財務諸表の修正が入ることの多かった会社のスケジュール例です。
上段が計画で下段に書いているのが実績になります。比較しやすいようにガントチャート形式で載せております。

【図3 決算スケジュールの例】

この会社では、当初、単体決算が4月14日に締まり、連結精算表の完成が19日、決算短信のドラフトが24日完成予定でした。
実際には、決算作業がスタートし、単体決算までは順調に進んでおりましたが、連結決算作業の途中で、監査法人から子会社の決算に関する指摘等が入り、その修正対応のために連結決算もやり直したため当初スケジュールからは遅れ、連結CFやセグメント資料の差し替え、さらに同時並行して作成していた短信のドラフトも修正する等、様々な作業のやり直しが発生しました。その結果、短信発表の当日まで修正が入ったということがございました。

このような財務諸表数値の修正というのは、どの会社でも有りうることですが、そのやり直し・手戻りを最小限にコントロールできている会社では、個社の決算の修正の締め日、連結決算の締め日というのを明確にし、監査法人の監査計画とも連携をとって、修正があれば締め日までに終わらせるという約束事を厳格に守る運用をされています。

このように、『締め日以降は原則として数字の修正はしない』というルールを厳格に運用できるようにするためには、月次決算から様々なチェックを社内で行い、監査法人から軽微な誤謬に関する指摘が入らないレベルまで財務報告プロセスに係る内部統制の仕組みを構築できていることが前提となります。

決算数値の修正に伴う作業のやり直しは、思わぬ作業時間の増大につながり、長時間労働をせざるを得ない事態を招きます。ですから、上述したように決算修正が頻繁に入るような会社の場合、決算業務における精度を向上させる施策(財務報告プロセスにおけるコントロールの見直し・充実等)をご検討下さい。

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