ザッポスから学ぶサービス・カンパニー

以前、ある方の紹介で「ザッポスの奇跡」を読み、その時は、”こんな会社を創りたい”と思いました。それ以来、バイブルとして繰り返し読み返すようにしています。先日、この「ザッポスの奇跡」を久しぶりに読みましたが、当時の想いが蘇り、自社のサービスや社員教育を考え直す良い機会になりそうです。

これからの時代、企業が持続可能な成長をするための源になるのは、何といっても人です。その社員が日々の業務で判断するときの拠り所になる一貫したポリシー(経営理念)が強い会社を支えるのだと、この本は教えてくれます。

ザッポスのビジネスは、「靴のオンライン販売」です。
しかし、彼らは「(私たちの会社は、)『たまたま靴の販売業を営んでいるにすぎない』サービス・カンパニーです。」と説明するそうです。どの社員もそう答えるほど、同社のDNAとも呼べる一貫したポリシーが浸透しているところがザッポスの強みとなっています。
「顧客フレンドリーなサービス・ポリシー」や「常識はずれのコンタクトセンター」など、本で紹介されている同社のサービスの特徴は、一見真似できそうに思えますが、これを徹底するとなると非常に難しいことばかりだと思います。

最近、大手の企業では、あらゆる業務でIT化やシステム化が進み、生産性・効率性が飛躍的に向上しています。しかし、どんなにITを使って自動化し効率化を進めていっても、最終的にそれを使いこなすのは人です。したがって、どのようにシステム・ITを有効活用するかをアドバイスするサービスは絶対に必要ですし、最近はその重要性が益々高まっていると感じます。

私どもが提供しているサービスの領域でも、ERPや連結決算システム、ディスクロージャー支援システムの機能は日々進化し、もはやこれらのツール(システム)がなければ業務が回らないようになっております。これらのツールを使いこなすノウハウは、最終的に人から人へ伝えられていかなければなりませんが、専門知識を必要とする業務領域であること、業界全体で人手不足の状況が続いていること等の要因から、大手企業であっても業務の引継ぎがままならない会社が増えてしまっております。このような時代であるからこそ、「システムの機能の向上」よりも、「人による付加価値の高いサービス」が必要とされるのだと思います。

AI(人工知能)の技術発達により、もしかしたら近い将来はロボットがこれらの領域の主役になるかもしれません。しかし少なくとも現在は、IT化・システム化への投資が進み、高度なシステムに依存する業務が増えたことの弊害として、
”(手作業していた頃と比較して)業務に対する理解が低下する”
といった現象が色々なところで起きているのではないでしょうか。
ですから、「使いやすいシステムやツール」といった選択肢とともに、かゆいところにまで手が届く「気の利いたサービス」や至れり尽くせりの「家政婦サービス」のようなサービス形態も、選択肢の1つとして求められているのだと私は考えます。

私も、ザッポスを見習い、
”期待を超えるサービスを提供してお客様に感謝され、WOW(驚嘆)を与えられるようなサービス・カンパニーを目指したい!”
この本を読み返して、強くそう思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です